日本を拠点にビジネスや活動を展開するなら、信頼性の高い「.jpドメイン」の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、.jpドメインの基本情報から、メリット・デメリット、SEOへの影響、他TLDとの違いまで詳しく解説します。
「.jpを取るべきか迷っている」「他のドメインとの違いを知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
.jpドメインの基本情報
.jpドメインは、日本の国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)です。
日本に関連する個人や企業が主に利用しており、登録・管理は日本レジストリサービス(JPRS)が担当しています。
2001年に運用体制が整備され、現在では、個人利用から企業・団体の公式サイトまで幅広く活用されています。
また、.jpドメインにはいくつか種類があり、代表的なものとして「汎用JPドメイン」「属性型JPドメイン」「都道府県型JPドメイン」などが存在します。
- 汎用JPドメイン:個人・法人問わず登録可能。
- 例:example.jp
- 属性型JPドメイン:法人格や組織種別に応じた登録。
- 例:example.co.jp、example.ne.jpなど
- 都道府県型JPドメイン:地域名を含めたドメイン名。
- 例:example.tokyo.jp
これらのドメインはいずれも日本に住所があることが登録条件となっており、安心感や信頼性を重視する場面で非常に高い評価を得ています。
.jpの意味
.jpは、文字通り「Japan(日本)」を表す国別コード(ccTLD)です。
インターネット上で国や地域を識別するために割り当てられており、.jpは日本に割り当てられたものです。
この「.jp」がドメイン名の末尾につくことで、「このサイトは日本に関連している」「日本に拠点がある」という印象をユーザーに与えることができます。
.jpはどこの国のドメイン?
.jpは、言うまでも無く日本の国別ドメイン(ccTLD)です。
国別ドメインとは、各国や地域に割り当てられたトップレベルドメインのことで、たとえばアメリカなら.us、イギリスなら.uk、中国なら.cnが該当します。
日本に割り当てられているのが「.jp」であり、日本国内に住所を持つ個人、法人、団体のみが取得できる仕組みになっています。
この制限により、世界中の誰でも取得できる「.com」や「.net」などと比べて、日本との結びつきが強く、信頼性が高いドメインとして認識されています。
.jpは誰でも取得できる?
.jpドメインは、日本国内に住所がある個人・法人・団体であれば、基本的に誰でも取得可能です。
国籍や法人格の有無に関係なく、日本に居住している、もしくは日本にオフィス・拠点を持っていることが条件となります。
特に「汎用JPドメイン(example.jp)」は、最も取得しやすく、個人サイトから企業サイトまで幅広く利用されています。
一方で、会社用の「co.jp」ドメインなど、特定の属性型JPドメインは登録できる対象が限られます。
例えば.co.jpは日本国内で登記された法人のみとなっています。
そのため、個人でも法人でも、「日本に拠点がある」なら.jpドメインの取得は十分に可能です。
.jpドメインの特徴とメリット
.jpドメインには、他のドメインと比べても際立った特徴とメリットがあります。
ここでは、特に重要なポイントを3つに絞り、それぞれ詳しく紹介していきます。
- 日本発であることを明確にアピールできる
- 信頼性が高い
- 競争が激しくないため、希望する名前が取りやすい
1. 日本発であることを明確にアピールできる
.jpドメインを使うことで、「日本発のサイト・サービス」であることを一目で伝えることができます。
特に国内のユーザーや取引先に向けて、安心感・信頼感を与えたい場合に非常に有効です。
海外向けに日本ブランドをアピールする際にも、.jpの存在は説得力を持ちます。
2. 信頼性が高い
.jpドメインは、日本国内に住所があることが取得条件となっているため、「架空の運営者ではない」という一定の信頼性が担保されています。
また、登録情報の管理も厳格に行われているため、詐欺サイトやスパムサイトに使われにくいという特徴があります。
実際にセキュリティ会社のマカフィーが発表したレポートによると.jpドメインは世界で2番目に信頼できるTLDとされています。
2009年の調査ではありますが、大幅に変わっていることは考えにくいため、今でも信頼できるTLDといえるでしょう。
3. 競争が激しくないため、希望する名前が取りやすい
.jpは取得できるのが日本在住者に限られていることから、.comなどと比べると登録件数が少なめです。
そのため、短く覚えやすいドメイン名やブランド名そのものを取得できる可能性が高く、ビジネスをスタートする際に有利に働くことがあります。
.jpドメインのデメリット・注意点
.jpドメインは魅力が多い一方で、注意しておきたいポイントも存在します。
ここでは、.jpドメインを選ぶ前に知っておきたいデメリットやリスクをまとめました。
- 取得・更新費用が比較的高め
- 登録条件に住所制限がある
- 属性型ドメインには取得制限がある
1. 取得・更新費用が比較的高め
.jpドメインは、国別ドメインの中でも比較的高額な部類に入ります。
2. 登録条件に住所制限がある
日本国内に住所がないと取得できないため、たとえば海外に移住した後に新規で取得したり、法人が海外移転した場合に問題が生じるケースがあります。
運用開始後の拠点変更などにも注意が必要です。
3. 属性型ドメインには取得制限がある
.co.jpや.or.jpなど、特定の組織向けに用意された属性型JPドメインは、登記が必要だったり、一定の資格要件を満たさなければ取得できません。
.jpであれば日本在住者なら個人でも取得可能です。
どの種類の.jpを選ぶかによって、申請にかかる手間や条件が異なる点に注意しましょう。
.jpドメインのSEO評価は?
大前提として、基本的にはTLDが検索順位に影響を与えることはほとんどありません。
一方で.jpドメインのような国別ドメインは、特定の国(日本)をターゲットにするサイトにとって、SEO上有利に働く要素を持っていると言われています。
Googleのジョン・ミューラー氏は過去にこのような発言をしていました。
今はいろいろな手段でジオターゲティングの情報を手にできる。たとえば、ccTLDだ。gTLDの場合はSearch Consoleのインターナショナルターゲティングを設定できる。hreflangの情報も利用できる。
以上から、.jpのようなccTLDを使うことで、「このサイトは日本向けである」という情報が強く伝わると考えられます。
ただし、ドメイン名だけでSEO順位が決まるわけではありません。
あくまでサイト全体のコンテンツ品質やユーザー体験が最も重視されるため、.jpドメインはあくまでプラスの要素のひとつと捉えるのが適切です。
.jpドメインと他TLDとの違い
次に.jpと代表的なTLDとの違いについて解説します。
ここでは以下の5つのTLDと比較していきます。
- .jpと.comの違い
- .jpと.netの違い
- .jpと.co.jpの違い
- .jpと.or.jpの違い
- .jpと.ne.jpの違い
.jpと.comの違い
.comは商業利用を想定して作られた汎用TLD(gTLD)です。
現在はビジネス・個人・団体問わず、世界中の誰でも自由に登録できるため、最も普及しているドメインです。
一方、.jpは日本に住所がある個人・法人のみが登録できる国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)です。
日本国内向けサイトだとすぐに伝わる点が特徴で、信頼性も高いと見なされます。
ちなみに、.comについては以下の記事で詳しく解説しています。
chevron_right 初心者必見!.comドメインの意味やメリット・デメリットなどを解説

.jpと.netの違い
.netは、もともとネットワーク関連企業向けに作られたgTLDです。
現在では、.comと同様に誰でも自由に登録でき、用途に制限はありません。
一方、.jpは日本に拠点が必要なため、取得条件にハードルがあります。
そのため、.netに比べると日本国内の信頼感や地域性を強く打ち出したい場合に有利です。
.netについては以下の記事で詳しく解説しています。
chevron_right .comだけじゃない!.netドメインを選ぶ理由と注意点を徹底解説

.jpと.co.jpの違い
.co.jpは、日本国内で登記されている法人のみが取得できる属性型JPドメインです。
1法人につき1つしか取得できないため、企業の公式サイト用ドメインとして非常に強い信頼感を持ちます。
一方、.jp(汎用JPドメイン)は、個人・法人を問わず複数取得できるため、やや自由度が高いですが、
企業公式サイトとしてのブランド性は.co.jpに劣る場合があります。
.jpと.or.jpの違い
.or.jpは、財団法人・社団法人・医療法人など、特定の非営利団体向けに用意された属性型JPドメインです。
取得には該当する法人格が必要です。
一方、汎用.jpは法人格の有無に関係なく登録できるため、非営利団体でなくても使えます。
ただし、組織の性格を明確に示したい場合は、.or.jpの方が適しています。
.jpと.ne.jpの違い
.ne.jpは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)やネットワークサービス提供者向けに作られた属性型JPドメインです。
現在でも企業のメールサービスやネットワーク関連事業で使われることがあります。
一方、汎用.jpはネットワーク事業に限らず、どんな用途にも利用できるため、特定の業種に限定されません。
一般的なサイトやサービス、個人で取得するなら、汎用.jpの方が使いやすいでしょう。
.jpドメインはこんな人・用途におすすめ!
.jpドメインは、以下のようなケースに特におすすめです。
- 日本国内向けのビジネスを展開する場合
- 日本発のブランドイメージを強調したい場合
- 企業や団体の公式サイトとして信頼性を重視する場合
1. 日本国内向けのビジネスを展開する場合
日本市場をメインターゲットにしている企業や店舗、ECサイトなどには、.jpドメインが最適です。
サイトを訪れたユーザーに「日本企業の運営である」という信頼感を与え、取引や購買のハードルを下げる効果が期待できます。
2. 日本発のブランドイメージを強調したい場合
海外向けに日本ブランドをアピールしたいときにも、.jpドメインは有効です。
3. 企業や団体の公式サイトとして信頼性を重視する場合
特に、法人登記していない小規模事業者や個人事業主でも、.jpドメインを使うことで「きちんと運営されている感」を演出できます。
公式サイトにふさわしいドメインを探している場合、.jpは非常に心強い選択肢です。
.jpドメインの取得方法とおすすめレジストラ
では.jpはどのドメイン取得サービスで取得できるのでしょうか。
基本的には国内のほぼすべてのドメイン取得サービスで取得が可能です。
具体的には以下があります。
- お名前ドットコム
- Xserverドメイン
- ムームードメイン
- バリュードメイン
- スタードメイン
一方で海外のドメイン取得サービスでは対応していないことが多いです。
.jpドメインと関連するTLDドメイン
.jpは日本を表すのに適したTLDですが、それ以外にも関連したTLDがあります。
ここでは以下の5つをご紹介します。
- .com(コム)
- .tokyo(トーキョー)
- 都道府県型JPドメイン(例:.osaka.jp)
- .jp.net(ジェイピーネット)
- .jp.com(ジェイピーコム)
1. .com(コム)
.comは世界中で最も普及しているTLDです。
意味:「commercial(商業)」の略。元々は商業組織向けに作られたドメイン。
用途: ビジネス、個人、団体問わず幅広く使用される。
.jpとの違い:
国・地域に関係なく誰でも取得できるため、グローバルな印象が強い。一方、.jpは日本拠点が条件なので地域特化の色が濃い。
おすすめの使い方としては、グローバル展開を視野に入れたビジネスや、幅広いターゲット層を想定している場合に向いています。
.comについては以下の記事で詳しく解説しています。
chevron_right 初心者必見!.comドメインの意味やメリット・デメリットなどを解説

2. .tokyo(トーキョー)
.tokyoは、東京都をテーマにしたgTLDです。
意味:東京を表す地名型トップレベルドメイン。
用途: 東京に関連する企業・店舗・イベント・観光関連サイトなどに利用される。
.jpとの違い:
.jpは日本全体に関連するが、.tokyoは「東京」という地域にフォーカスされる点が異なる。
おすすめの使い方としては、東京を拠点とするビジネスや、東京観光向けサービス、地域密着型のプロジェクトなどがあります。
3. 都道府県型JPドメイン(例:.osaka.jp)
都道府県型JPドメインは、地域名を組み込んだ.jpドメインの一種です。
.tokyo.jpや.osaka.jpなど、47都道府県すべてのラインナップがあります。
意味:日本の都道府県をドメイン名に含めた形式。
用途: 地域企業や地元密着型サービス、自治体関連サイトなどに使われる。
.jpとの違い:
通常の.jpは全国レベルだが、都道府県型JPは特定地域に特化している。
おすすめの使い方としては、地域密着型ビジネス、地方自治体、地域振興プロジェクトなどに最適です。
4. .jp.net(ジェイピーネット)
.jp.netは、セカンドレベルドメインと呼ばれる特殊なドメインの一種です。
意味:.netの下に「.jp」がついたサブドメイン型のドメイン名。
用途: 本来の.jpが取れなかった場合の代替や、ネットワーク関連ビジネスに利用されることが多い。
.jpとの違い:
公式な国別ドメイン(ccTLD)ではなく、見た目に「.jp」が入るものの、純粋な.jpドメインとは性質が異なる。
おすすめの使い方としては、jpのニュアンスを持たせつつ、別のドメイン選択肢を探している場合などです。
5. .jp.com(ジェイピーコム)
.jp.comも、サブドメイン型の商業向けドメインです。
意味:.comの下に「.jp」をつけた形式。
用途: 日本市場向けに活動する海外企業や、.comの代替ドメインとして使われることが多い。
.jpとの違い:
こちらも純正の国別ドメインではなく、あくまで.comドメインの一種として管理されている。信頼性や地域性の明確さでは本物の.jpに劣る。
おすすめの使い方としては、グローバル企業が日本市場向けにサブブランド展開する場合などです。
.jpドメインの活用事例まとめ
次に.jpドメインがどのようなサイトで実際に使われているのか、3つのサイトで事例を紹介します。
- ニコニコ動画
- Pixiv (ピクシブ)
- はてなブログ
1. ニコニコ動画
ドメイン名:nicovideo.jp
株式会社ドワンゴが運営する日本の動画共有サービスです。
2. Pixiv (ピクシブ)
ドメイン名:pixiv.jp
イラスト、漫画、小説などの作品を投稿・閲覧できるサービスです。
世界中から利用があります。
3. はてなブログ
ドメイン名:hatenablog.jp
株式会社はてなが提供するブログサービスです。
シンプルで使いやすいインターフェースで、個人ブロガーを中心に人気があります。
.jpドメインのよくある質問
- .jpドメインは個人でも取得できますか?
-
はい、可能です。
汎用JPドメイン(example.jp)であれば、個人・法人問わず、日本国内に住所があれば誰でも取得できます。
ただし、co.jpなど一部の属性型JPドメインは法人登記が必要です。 - .jpドメインの取得にはどれくらい時間がかかりますか?
-
通常、登録手続きを完了すれば即日〜1営業日程度で利用できるようになります。
- .jpドメインの更新費用は高いですか?
-
他のドメイン(例:.comや.net)に比べると、やや高めの設定です。
取得時も更新時も、年間で3,000円〜5,000円前後が相場となっています(登録業者によって異なります)。 - 海外からでも.jpドメインを取得できますか?
-
日本国内に住所または拠点があれば、海外在住でも取得は可能です。
ただし、日本国内の住所を登録情報として設定する必要があります。 - SEO対策として.jpドメインは有利ですか?
-
日本市場をターゲットとする場合であれば、SEO上のプラス要素になると考えられます。
GoogleはccTLDを地域ターゲティングの判断材料の一つとしており、日本向けサイトであることを明確に示すことができます。
まとめ | .jpドメインは日本向けビジネスに最適な信頼の証
.jpドメインは、日本国内向けにサイトを展開したい方にとって、非常に強力な選択肢です。
日本に住所が必要という取得条件があるため、信頼性が高く、訪問者に安心感を与えることができます。
また、SEOにおいても「日本向けサイト」であることを明確に伝えられるため、国内のユーザーをターゲットにする場合には特に効果的です。
一方で、取得費用がやや高めだったり、登録条件に制約があるなどの注意点もあるため、用途に合わせた選択が重要です。
「日本発」や日本のサイトであることを強みとしたいなら、.jpドメインは間違いなく検討すべきドメインと言えるでしょう。
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